パイゴウ・ポーカー(Pai Gow Poker)の基本戦略
パイゴウ・ポーカーの基本戦略について解説します。
パイゴウ・ポーカーでは7枚のカードからハイハンドとローハンドを作る必要があります。このカードの選択によって勝敗が左右します。
手作りの基本的な考え方
パイゴウ・ポーカーでは7枚のカードをハイハンドとローハンドに分け、それぞれ相手のハンドを上回らなければ勝利できません。そして高い役の成立に対するインセンティブはありません。
そのためハイハンドとローハンドのバランスを上手くとっていくことが重要です。一方のみで高いハンドを作っても意味がありません。
またバンカーはプレーヤーに対してコピー(同じランクのハンド)の場合勝利できるという優位性があります。そのため最適な戦略はバンカーとプレーヤー側で少々異なります。
※ちなみにカジノにおいてはディーラーに聞けば効率的なハンドの作り方を教えてくれますし、オンラインカジノにおいてはボタンひとつで効率的にハンドを作ってくれますので必ずしもマスターしなければいけないわけではありません。
基本戦略の概要
まず7枚のカードが配られたら、ストレートとフラッシュが成立するか確認します。以下に紹介する戦略はストレートとフラッシュが成立する場合とそうでない場合に分かれます。またプレーヤーでプレイする場合をメインに書いていますが、バンカーでプレイする場合異なる点を右欄で補足しています。
※基本戦略はTHE WiZARD OF ODDSで紹介されている一部
・スリーオブアカインドは3カード、フォーオブアカインドは4カードとしても表記
・3ペアとは7枚が配られた段階で2枚のペアが3組ある場合
・ローハンドをLo、ハイハンドをHiと表記
・J=11,Q=12,K=13,W=ジョーカー
ストレートとフラッシュが成立しない場合
ワンペアとノーペア
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる事項 |
ノーペア | Lo=2番目と3番目のハイカード /Hi=もっとも高いカード | ー |
1ペア | Hi=1ペア /Lo=1ペア以外で最も高いカード | ー |
上図では7枚から役を作ることができません(ノーペアの欄)。最も高いカードはA、2番3番はQと8です。よってハイハンドにAを、ローハンドにQと8を入れます。
ツーペア
2ペアの場合、まず2ペアを構成するカードの数字を合計する。たとえば上図のように4のペアと9のペアだったとしたら、4+9=13になる(A=14)。これをポイントとして、以下の表に従う。
2ペアのポイント | 選択 | バンカーで異なる事項 |
6以下 | ペアの他にQ以上があればHi=2ペア/Lo=Q 無ければHiとLoでそれぞれ1ペア(2ペアを分割) |
7以下の場合 |
7~11 | ペアの他にK以上があればHi=2ペア/Lo=K 無ければHiとLoでそれぞれ1ペア(2ペアを分割) |
8~11の場合 |
12~16 | ペアの他にA以上があればHi=2ペア/Lo=A 無ければHiとLoでそれぞれ1ペア(2ペアを分割) |
12~17の場合 |
17以上 | すべてペアを分割。Hi=1ペア/Lo=1ペア | 18以上の場合 |
上図では2ペア以外のハイカードがQ。ポイント13の場合、ペアの他にAがなければ2ペアを分割するのでハイハンドに9,9,Q,10,5、ローハンドに4,4をセットする。
スリーペア
7枚のカード | 選択 | バンカーの場合で異なる |
スリーペア | 一番高いペアをローハンドへ | ー |
上記例ではQ,2,6で3つのペアができている。この中で一番数字の高いQのペアをローハンドへ。残りのカードでハイハンドを作る。
スリーオブアカインド
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる事項 |
3カード | Hi=3カード/ Lo=残りのハイカード | ー |
3カード+1ペア | Hi=3カード/Lo=1ペア | ー |
3カード+2ペア | 一番高いペアをローハンドへ(場合によって3カードを分割) | ー |
3カード+3カード | 一番高いペアをローハンドへ(場合によって3カードを分割) | ー |
上記の例だとKの3カードと10と2のペアの2ペアができている。この場合一番高いペアをローハンドにもっていくので、3カードは分割してしまってローハンドはK,K、ハイハンドは10,10,2,2,Kになります。
フォーオブアカインド
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる事項 |
2,3,4の4カード | Hi=4カード/ Lo=残りのハイカード | ー |
5の4カード | 4カードの他に10以上あり→Hi=4カード/Lo=10 10以上無し→Hi=2ペア/Lo=2ペア(4カードを分割) |
ー |
6の4カード | 4カードの他にQ以上あり→Hi=4カード/Lo=Q Q以上なし→Hi=1ペア/Lo=1ペア(4カードを分割) |
6,7の4カードの場合 |
7,8の4カード | 4カードの他にK以上あり→Hi=4カード/Lo=K K以上なし→Hi=1ペア/Lo=1ペア(4カードを分割) |
8,9の4カード場合 |
9,10,Jの4カード | 4カードの他にAあり→Hi=4カード/Lo=A A以上なし→Hi=1ペア/Lo=1ペア(4カードを分割) |
10,J,Qの4カードの場合 |
Q,K,Aの4カード | Hi=1ペア/Lo=1ペア | K,Aの4カード |
4カード+1ペア | Hi=4カード/LO=1ペア | ー |
4カード+3カード | ◆3カードより4カードの数字が2つ以上、上 →Hi=フルハウス/Lo=1ペア(4カードを分割) ◆そうでない →Hi=4カード/Lo=1ペア(3カードを分割) |
ー |
上図はJの4カードの例。Jの4カードの他にAがあれば4カードを使うが、無いので4カードを分割。ローハンドはJ,Jの1ペア、ハイハンドはJ,J,9,7,2でセットする。
ファイブオブアカインド
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる事項 |
5カード | Hi=3カード/Lo=2ペア(5カードを分割) | ー |
5カード+1ペア | Hi=フルハウス/Lo=Aの1ペア(5カードを分割) | ー |
5カードは通常Aのみで成立します。(ジョーカーがA以外の代用になりません。ルールによってはジョーカーが完全にオールマイティーカードとして機能するルールもあります。)
かならず5カードは分割しますので最終的に5カードができることはありません(戦略を間違えなければ)。上記例ではローハンドA,Aの1ペア、ハイハンドA,A,W,10,2のスリーカードでセットします。
ストレートとフラッシュが成立する場合
※ストレートまたはフラッシュを表す表記=S&F
ノーペアとワンペア
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる事項 |
ノーペア | Hi=S&Fに | ー |
1ペア | Hi=S&F / Lo=残りでノーペアか1ペア 9,10,J,QのペアとA・Kがある場合はLo=AK/残りで1ペア |
ー |
上記例では♢のフラッシュとJのワンペアができる形。このとき1ペアがJで、AとKがないのでローハンド=♧Jと3、ハイハンドは♢のフラッシュにしてセットする。
もし以下の形なら
フラッシュを壊して、ローハンドをA,K、ハイハンドをJ,J,10,9,8のワンペアにする。
ツーペア
2ペアの場合、まず2ペアを構成するカードの数字を合計する。たとえば上図のようなペアなら12のペアと4のペアで、12+4=16ということ。(Aは14とカウント)これをポイントとして、以下の表に従う。
ツーペアのポイント | 選択 | バンカーで異なる事項 |
6以下 | ペアの他にQ以上があればHi=2ペア/Lo=Q 無ければHi=S&Fに |
ー |
7~11 | ペアの他にK以上があればHi=2ペア/Lo=K 無ければHi=S&Fに |
7~10 |
12~16 | ペアの他にA以上があればHi=2ペア/Lo=A 無ければHi=S&Fに |
11~17 |
17以上 | Hi=S&Fに | 18以上 |
上記図では♤のフラッシュとQと10の2ペアができています。2ペアのポイントは12+4=16です。ペア以外にAがあればフラッシュを壊しますが、ないのでハイハンドに♤のフラッシュ、ローハンドにQと4でセットします。
逆に下図のようなハンドだったら
ローハンドにA,Kを、ハイハンドにQと9の2ペアをセットします。ハンドを考える順番としてはAをローハンド、2ペアをハイハンドで確定させて、その他の一番高いカードKをローハンドへ、残りの10をハイハンドに送ります。
スリーペア
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる点 |
Aの3ペア | Hi=2ペア / Lo=Aの1ペア | ー |
フラッシュ含み(ストレートはできません)の3ペアは必ずAを含みます。フラッシュにしないで1ペアと2ペアに分割します。上記の図ではまずローカードに一番高い1ペアであるAを使い、ハイカードにKと7の2ペアとセットします。
スリーオブアカインド
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる点 |
3カード | Hi=S&Fに/残りのカードで高いカードをLoへ | ― |
3カード+1ペア | Loで7以上のペアを作れるならHi=Hi=S&Fに そうでないならHi=3カード,Lo=1ペアに |
― |
上図は8のスリーカードと5,6,7,8,9のストレートができる手。この場合、ハイカードでストレート(5,6,7,8,9)を作り、残りのカード(8,8)でローカードを作ります。
もう一つ例をみてみましょう。
Aの1ペアと8の3カード。また♧でフラッシュができる手です。この場合、フラッシュを除いたカードで7以上のペアができるかで判断します。
フラッシュ(w,A,8,5,2)と8,8(ペア)に分かれますので、7以上の8の1ペアができます。よってハイハンドでフラッシュを作り、ローハンドは8の1ペアでセットします。
フォーオブアカインド
7枚のカード | 選択 | バンカーで異なる点 |
4カード | Hi=S&F / AのペアをLoへ | ー |
Aの4カードと♤のフラッシュが狙えます。ストレートかフラッシュと4カードができる手は必ずジョーカーがらみのAの4カードのみになります。
この場合、ハイカードでフラッシュを作り、ローカードをAのペアにします。Hi=A,8,6,3,w /Lo=A,Aです。
簡単な戦略
上記はすべてのパターンについてそれぞれ最適な戦略を見てきましたが、なかなか覚えるのは困難という方に簡単な戦略表を紹介します。これはカジノ大全(ダイヤモンド社)で紹介されているものです。
保持ハンド | セットのやり方 |
ペアなし | Lo(2枚)=2番目と3番目に高いカードを使う Hi(5枚)=1番高いカードを使う |
1ペア | Lo(2枚)=1番目と2番目に高いカードを使う Hi(5枚)=1ペアを使う |
2ペア | Aを一枚持っているなら ・Lo(2枚)=Aを使う ・Hi(5枚)=2ペアを使う Aを一枚持っていないなら ・Lo(2枚)=低位のペアを使う ・Hi(5枚)=高位のペアを使う |
スリーペア | Lo(2枚)=最高位のペアを使う Hi(5枚)=2番目と3番目のペアを使う |
フルハウス | Hi=3カード Lo=1ペア |
保持ハンド | セットのやり方 |
ストレートと2ペア | Hi=2ペアに。ストレートは分割する。 Lo=2ペアを維持したまま一番高いカードを。 |
5枚のストレート | Hi=ストレート LO=ストレート以外の2枚のカード |
6枚のストレート | Hi=ストレート Lo=ストレートを維持したまま一番高いカードを。 |
保持ハンド | セットのやり方 |
フラッシュと2ペア | Hi=2ペアに。フラッシュは分割する。 Lo=2ペアを維持したまま一番高いカードを。 |
他のフラッシュ | Hi=フラッシュを使う LO=フラッシュを壊さず最も高いカードを使う |
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