ブラックジャックの基本戦略
ブラックジャックのルールと基本戦略
| ルール | 基本戦略総論 (当ページ) | ハードハンド | ソフトハンド | スプリット | ダブルダウン|
ブラックジャックの基本戦略を解説します。
基本戦略とはブラックジャックの配られた2枚のカードとディーラーのアップカードのみの情報で最適な行動を示したものです。この基本戦略を忠実に守ることによって期待値をほぼゼロ(-0.5%程度)に抑えることができます。
これは長時間プレーすればカジノ側とプレーヤー側がほぼトントンになることを意味します。ブラックジャックで勝つためにはこの基本戦略をマスターしなければいけません。
最初に付け加えておくとインシュアランスはいかなる場合も選択しません。イーブンマネーも基本的に選択しませんが、残資金的な問題から選択する場合もあります。
基本戦略 動画解説
基本戦略 概要
横軸はディーラーのアップカード、縦軸はプレーヤーのカードの合計もしくはペアの種類。
SP=スプリット S=スタンド H=ヒット Su=サーレンダー
Su/H=可能ならサーレンダー、不可ならヒット
D/H=可能ならダブルダウン、不可ならヒット
D/S=可能ならダブルダウン、不可ならステイ
UPカード→ | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | A |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
H17↑ | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
H16 | S | S | S | S | S | H | H | Su/H | Su/H | Su/H |
H15 | S | S | S | S | S | H | H | H | Su/H | H |
H14 | S | S | S | S | S | H | H | H | H | H |
H13 | S | S | S | S | S | H | H | H | H | H |
H12 | H | H | S | S | S | S | H | H | H | H |
11 | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | H |
10 | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | D/H | H | H |
9 | H | D/H | D/H | D/H | D/H | H | H | H | H | H |
8↓ | H | H | H | H | H | H | H | H | H | H |
UPカード→ | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | A |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S19↑ | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
S18 | S | D/S | D/S | D/S | D/S | S | S | H | H | H |
S17 | H | D/H | D/H | D/H | D/H | H | H | H | H | H |
S16 | H | H | D/H | D/H | D/H | H | H | H | H | H |
S15 | H | H | D/H | D/H | D/H | H | H | H | H | H |
S14 | H | H | H | D/H | D/H | H | H | H | H | H |
S13 | H | H | H | D/H | D/H | H | H | H | H | H |
UPカード→ | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | A |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A-A | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP |
10-10 | S | S | S | S | S | S | S | S | S | S |
9-9 | SP | SP | SP | SP | SP | S | SP | SP | S | S |
8-8 | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP | SP |
7-7 | SP | SP | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H |
6-6 | H | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H | H |
5-5 | D | D | D | D | D | D | D | D | H | H |
4-4 | H | H | H | H | H | H | H | H | H | H |
3-3 | H | H | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H |
2-2 | H | H | SP | SP | SP | SP | H | H | H | H |
引用:カードカウンティング入門
簡単な戦略
上の基本戦略をマスターする前にブラックジャックの戦略のざっくりとしたイメージを解説しましょう。
基本戦略では与えられた情報はプレーヤーに配られた2枚のカードとディーラーのアップカード1枚しかありません。だからプレーヤーに配られた2枚のカードとディーラーのアップカードを比べて強弱を判定します。
ディーラーのダウンカードを10と仮定
一番単純な戦略の一つにディーラーのダウンカードを10と仮定して行動選択をするというものがあります。単純ですが、すべての基本戦略の根底にこの考え方があります。
なぜなら10と数えるカードは16枚あり、実に16/52(30.76%)もの確率を誇ります。プレーヤーがヒットした場合次にくるカードも10出る可能性が圧倒的に多いのです。
ディーラーのアップカードの強弱
ディーラのアップカードの強弱についてざっくりとしたイメージを持っておきましょう。
強弱 | 強いグループ | 普通のグループ | 弱いグループ | やや弱いグループ | ||||||
アップカード | A | 10 | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 |
バスト率 | 17% | 23% | 24% | 25% | 26% | 44% | 43% | 40% | 38% | 30% |
ディーラーのアップカード4・5・6の時のディーラーのバスト率を見てください。40%を超えているのがわかります。この時は無理をしないでディーラーのバストを待つというのが基本的な考えになります。
プレーヤーの手配の合計と強弱
プレーヤーのカードの合計とその強弱についてざっくりとしたイメージを持っておきましょう。
手配カード合計 | 強さ | もう一枚引くとバストする確率 |
---|---|---|
12・13 | やや弱い | 31%(12)/ 38.55%(13) |
14・15・16 | 弱い | 46.15%(14)/ 53.85%(15)/ 61.54%(16) |
17・18 | 強い | 69.23%(17)/ 76.9%(18) |
19・20 | すごく強い | 84.62%(19)/ 92.3%(20) |
21 | 鬼強 | 0% |
※()内は手配カードの合計
11以下についての補足
11以下では次のヒットでバストすることはありません。10とカウントするカードが30%あることを考慮すると9・10・11はハイカードになる確率が高いといえます。とくに11ではヒットして10が来ると21になるのでダブルダウンのチャンスといえます。
ハードハンドにおけるヒットorステイ
ハードハンドとはAを含まないかAを1として数える手のことです。基本戦略の中でも真っ先にマスターしなければならないところです。
ハードハンドの基本戦略
プレーヤーの手配 | ディーラーのアップカードとプレーヤーの行動 |
---|---|
17 | すべてステイ |
16~13 | UP6以下はすべてステイ/7以上はヒット |
12 | UP4~6でステイ /UP2・3・7以上でヒット |
11以下 | すべてヒット |
※ただしその他のオプション(ダブルダウン、サーレンダー、スプリット)の選択は考慮していない。
13~16のヒットはバスト率も高くなりますが、ディーラーのダウンカードが10だと想定する(約30%)とアップカード7以上はヒットします。
12はディーラーの最弱のアップカード4~6の時はステイでディーラーのバストを待ちます。
ソフトハンドにおけるヒットorステイの選択
ソフトハンドとはAを11と数える手のことです。ハードハンドに比べてバスト率が低く手に柔軟性があります。ハードハンドの基本戦略とともにマスターすべき優先度の高い項目です。
ソフトハンドの基本戦略
プレーヤーの手配 | ディーラーのアップカードとプレーヤーの行動 |
---|---|
19以上 | すべてステイ |
18 | UP9・10・Aの場合ヒット/ UP8以下でステイ |
17以下 | すべてヒット |
※ただしその他のオプション(ダブルダウン、サーレンダー、スプリット)の選択は考慮していない。
17はそれほど強いカードではないので、バストの可能性がないソフトハンドではヒット。ソフト18の場合はディーラーのダウンカードを10と仮定して行動。
スプリット
スプリットは同じ数字のカードが2枚来た時に手を二つに分割する方法です。最初のチップの横に同額のチップを置くことでディーラーにスプリット意思表示をします。
スプリットの基本戦略
ペアの種類 | スプリット(ディーラーのUPカード) | スプリットしない場合の行動 |
---|---|---|
Aのペア/8のペア | すべて | × |
10のペア | × | スタンド |
5のペア/4のペア | × | 5ペア=(UP2~9の時ダブル、UP10とAの時ヒット) |
9のペア | UP9以下の時(例外UP7) | スタンド |
7のペア | UP7以下の時 | ヒット |
6のペア | 6以下の時(例外UP2) | ヒット |
2のペア/3のペア | UP4・5・6・7 | ヒット |
基本戦略の図をまとめ直してみました。
Aと8のペアは必ずスプリット、逆に5と4のペアはスプリットしません。その他はディーラーのアップカードに依存して決定します。
9と7と6はディーラーのアップカードがペア数字以下ならばスプリット。ただし9ペアと6ペアに例外あり。
あと注目すべきは5のペアの時、スプリットはしませんがディーラーのアップカードが2~9の時ダブルダウンで攻勢をかけます。
※8のペアをスプリットするのは16のハンド(最弱)を回避するため。16はヒット時のバスト率が高いのでスプリットをする。一番数の多い10のカードを引けば18という強いハンドを作ることができる。
ダブルダウン
ダブルダウンとはカードが配られてからの賭け増しのことです。最初の2枚が配られた時点でなら、無条件でダブルダウンできるカジノがほとんどです。最初のチップの横に同額かそれ以下のチップを置きます。(ダブルダウンは多くても最初のベットと同額)
※ただしダブルダウン後は必ず1枚カードを引く必要があるし、またその1枚しか引くことはできない。合計3枚のカードで勝負することになる。
ダブルダウンの基本戦略
プレーヤーの手配 | ダブルダウンのタイミング(ディーラーのアップカード) |
---|---|
ソフト17・18 | 3~6 |
ソフト15・16 | 4~6 |
ソフト13・14 | 5~6 |
11 | 10以下 |
10 | 9以下 |
9 | 3~6 |
※手配が8以下の場合はダブルダウンはしない。
上の表を見てもらえばわかるように、ダブルダウンはまずバストの可能性がある数字の場合行いません。ソフトハンド(Aを11と数える)手の場合、ディーラーのアップカードが弱いところに攻め込むイメージです。
10,11はディーラーのアップカードとダブルダウン後に来るカードがともに10だと仮定して勝てる場合に行います。9は10,11ほど強くはないのでディーラーのアップカードが弱い場合にのみ行います。
サーレンダー
サーレンダーとは最初の2枚が配られた時点で勝ち目がないと判断した場合、掛け金の半額を返上して降参することです。ヒットした後はサーレンダーをすることができません。サーレンダーは採用されていないカジノも多いので注意しましょう。
サーレンダーを採用している多くのカジノではディーラーの手がナチュラルでないか確認した後、サーレンダーを申し出ることができるレイトサーレンダーを採用しています。
一方、ディーラーがナチュラルであるかどうか確認する前にサーレンダーできるルールをアーリーサーレンダーと呼びます。アーリーサーレンダーが認められていた方がプレーヤーに有利になるのはいうまでもないでしょう。
サーレンダーの基本戦略
手配のカード合計 | サーレンダーすべきアップカード |
---|---|
ハード16 | 9・10・A |
ハード15 | 10 |
手配のカード合計 | サーレンダーすべきアップカード |
---|---|
ハード5~7・ハード12~17 | A |
ハード14~16 | 10 |
ハード16(8・8ペアはSP) | 9 |
インシュアランスとイーブンマネー
インシュアランスとイーブンマネーはともにディーラーのナチュラルに対して保険を掛けるオプションです。インシュアランスはディーラーのナチュラルでの負けを回避する保険で、イーブンマネーはディーラーのナチュラルでの引き分けを回避する保険です。
ともにディーラーのアップカードがAの時に選択します。
インシュアランス
ディーラーのアップカードがA(エース)の時とき、ダウンカードが10ならばナチュラルが完成して自動的に負けになります。それを回避するのがインシュアランスです。
最初のチップの半額をインシュアランスの枠に置きます。もしディーラーがナチュラルならばインシュアランスに賭けたベットは3:1(2倍)の配当を受けます。逆にナチュラルができなかったらインシュアランスに賭けたベットは没収され勝負が続行されます。
基本戦略としてインシュアランスはどの状況においても選択することはありません。
これは簡単に計算できます。まず1デッキ52枚のうち10と数えるカードは16枚、10以外のカードが36枚です。
インシュアランスに1ドル賭けたとして期待値を計算しますと
2ドル(インシュアランスに勝った時の利益)×16/52 ー 1ドル(インシュアランスに負けたときの損失)×36/52=ー4/52
つまり1ドルインシュアランスに1ドル賭けるたびにー4/52ドル損していくわけです。
イーブンマネー
イーブンマネーはプレーヤーの手にナチュラルが入って、かつディーラーのアップカードがA(エース)の時に行います。
本来プレーヤーのナチュラルで自動的に勝利で3:2の支払いを受けることができるのですが、同時にディーラーにナチュラルが入ると引き分けになってプレーヤーには1銭も入ってきません。
そこでイーブンマネーを選択することで勝利を確定させ、賭け金と同じ配当(1:1)を受けることができます。
イーブンマネーも期待値はマイナスなので選択することは不利ですが、残チップ量やプレーの残り時間の関係から選択します。
イーブンマネーに1ドル賭けたときのの期待値は
1ドル(本来引き分けなのに利益を得られる)×16/52 - 0.5ドル(もしイーブンマネーを選択しない場合の期待損失)×36/52 =ー2/52
つまりイーブンマネーに1ドル賭けるたびに ー2/52ドル損していくというわけです。
よって基本はイーブンマネーに賭けることはしませんが、チップの残りが少なくプレーが続けられない可能性が出てきている場合やプレーの残り時間が少ない場合などはイーブンマネーを選択して勝ちを確定させるのもいいとおもいます。
ブラックジャック
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コメント
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初めまして!!
武田と申します。。
youtubeで偶然あなたの動画を見つけ、非常に分かりやすかったので、自分のサイトに動画を掲載させてもらいました。。
このこと、何卒お許し頂きたく、失礼とは思いましたが、ご報告がてら連絡させてもらいました。。
今後ともヨロシクお願いします。。。
武田さん
コメントありがとうございます。youtube上の共有からの動画の掲載は構いませんよ。
早速の返答ありがといござ9居ました。。
こちらに掲載させてもらってます
⇒https://bigbusiness.sakura.ne.jp/blog/logh
こちらの返信が遅くなってしまったこと、お詫び申し上げます。。
これからも宜しくお願いします!!